04 FOCUS メンタル・集中

歩行瞑想・寝ながら瞑想・お風呂瞑想のやり方|場面別の手順と注意点

瞑想は座る以外に、歩きながら・寝ながら・お風呂でもできます。歩行瞑想の5ステップと通勤での簡易版、寝る前のボディスキャン、湯温41℃以下・10分までを守る瞑想浴の手順と、場面ごとの安全の注意をまとめました。

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Business Athlete 編集部
フローリングの廊下に脱いで揃えた革靴と靴下が置かれ、奥へまっすぐ続く静かな朝の室内

Key Pointsこの記事の要点

  1. 場面が変わっても中身は同じ。歩くなら足裏、寝ながらなら体の各部位に注意を向け、それたら戻す。
  2. 歩行瞑想は目を開けたまま室内で5分から。寝ながらの瞑想は眠ってしまってもよく、力まないのがコツ。
  3. お風呂では湯温41℃以下・10分まで。飲酒後や眠気が強い日はやめ、長く行うなら湯上がり後に。
目次9
  1. 場面で瞑想を変えていい?結論:対象を変えるだけで中身は同じ
  2. 歩行瞑想はどうやる?足裏に注意を向け、それたら戻す
  3. 通勤や昼休みにもできる?5分から、安全な区間だけで
  4. 寝ながら瞑想はどうやる?10分のボディスキャン
  5. 寝る前の瞑想で眠れる?研究と、逆効果にしないコツ
  6. お風呂で瞑想しても大丈夫?「短く・ぬるめ・眠らない」が条件
  7. 瞑想浴はどうやる?湯船は10分以内、続きは湯上がりに
  8. 場面別の瞑想はどこまで効く?運動の代わりになる?
  9. 今日からやること

瞑想は座って行うものだけではありません。歩きながらなら足裏の感覚、寝ながらなら体の各部位、お風呂ならお腹の動きというように、注意を向ける対象を場面に合わせれば、どこでも同じ「気づいて戻す」練習になります。歩行瞑想は目を開けたまま室内で5分から、寝ながらの瞑想は眠ってしまってもよいと考えて行います。お風呂では湯温41℃以下・湯につかるのは10分までを守り、湯船で眠り込まないことが条件です。

場面で瞑想を変えていい?結論:対象を変えるだけで中身は同じ

瞑想の中身は、どの場面でも次の3つです。

  1. 注意を向ける対象を決める
  2. 注意が考え事にそれたことに気づく
  3. 責めずに、対象へ注意を戻す

無心になることが目的ではありません。会議の段取りや取引先のメールが頭に浮かぶのは自然なことで、浮かんだと気づけた時点で練習は進んでいます。姿勢や場所は、この3つを続けやすいものを選べば構いません。

場面注意を向ける対象守ること
座る呼吸、体の感覚疲れていると眠くなりやすい
歩く足裏の感覚、体重移動目は開けたまま。人混みや横断歩道では行わない
寝ながら体の各部位、お腹の動き眠ってしまってもよい。眠ろうと力まない
お風呂お腹のふくらみとへこみ41℃以下・10分まで。眠気が強い日はやめる

座ってじっとしていると落ち着かない人、昼食後に座ると眠くなる人は歩行瞑想、寝る前に時間を取りやすい人は寝ながらの瞑想、家で一人になれる時間が少ない人はお風呂が入りやすいはずです。瞑想そのものの効果や、座って行う基本のやり方は瞑想の効果と始め方にまとめています。

歩行瞑想はどうやる?足裏に注意を向け、それたら戻す

歩行瞑想は、歩く動作そのものを注意の対象にする瞑想です。仏教の伝統的な修行の一つで、海外の研究では「マインドフル・ウォーキング」とも呼ばれます。体を動かすので、座る瞑想より眠くなりにくいのが利点です。

最初は、つまずく物がない自宅の廊下や部屋で行います。往復5〜10メートルほどの直線があれば十分です。

  1. 立ち止まって準備する:両足に体重が乗っている感覚を確かめ、肩の力を抜き、ゆっくり2〜3回息を吐く
  2. 視線を落とす:目は開けたまま、2〜3メートル先の床をぼんやり見る
  3. ふだんの半分くらいの速さで歩き出す:かかとがつく、足裏全体に体重が移る、つま先が離れる、という流れを感じる
  4. 考え事に気づいたら戻す:「あ、考えていた」と気づいたら、次の一歩の足裏に注意を戻す
  5. 端まで来たら止まって向きを変える:止まる、向きを変える、また歩き出す、という動作も一つずつ感じる

足裏の感覚を細かく追うのが難しければ、「右足がつく、左足がつく」の2つだけに絞っても構いません。慣れたら、太ももが持ち上がる感覚、腕の振り、左右の体重移動へと範囲を広げます。自宅では裸足や薄手の靴下にすると足裏の感覚がつかみやすくなりますが、滑りやすいフローリングでは転ばないよう注意してください。

ポイント 速さの目安は3段階です。室内での練習は「1歩に2〜3秒」、公園や人の少ない道は「ふだんよりやや遅め」、通勤中は「ふだんの速さ」。遅いほど感覚を細かく観察でき、速いほど日常に組み込みやすくなります。

うまくいかないときの直し方

  • 歩き方がぎこちなくなる:速さを少し上げ、「つく・離れる」の2つだけを感じる
  • 考え事ばかりしてしまう:着地のたびに「右」「左」と心の中で言葉にする
  • 退屈で続かない:3分で終えてよい。物足りないくらいで終えるほうが翌日も続く
  • ふらつく:ゆっくり歩くと片足立ちが長くなる。壁際を歩くか、速さを少し上げる

筆者も最初は屋外で試しましたが、歩くことに集中しようとするほど体が固くなり、人や自転車も気になってリラックスできませんでした。歩き慣れた自宅の廊下に場所を移したところ、足裏の感覚を追いやすくなりました。慣れるまでは室内から始めることをおすすめします。

呼吸はどうする?

歩行瞑想に決まった呼吸法はありません。足裏に注意を向けるだけで手一杯の初めのうちは、呼吸はコントロールしないほうが続けやすいでしょう。慣れてきたら、歩数と呼吸を合わせる方法も試せます。

  • 基本形:2歩で吸って、2歩で吐く
  • 落ち着きたいとき:2歩で吸って、4歩で吐く(吐く息を長めに)
  • 息苦しく感じたら:歩数に合わせるのをやめ、自然な呼吸に戻す

通勤や昼休みにもできる?5分から、安全な区間だけで

歩行瞑想を何分続ければ効果が出る、という確かな基準はありません。最初は1回5分、慣れたら10〜20分を目安にします。時間で区切るのが面倒なら、「廊下を5往復」「家から最初の角まで」のように距離で決めると時計を見ずに済みます。

場面やり方の例時間の目安
朝、起きてすぐ寝室からキッチンまでの廊下を往復3〜5分
昼休み昼食後、オフィス周辺の静かな道を歩く5〜10分
在宅勤務の合間会議と会議の間に室内を数往復3分
夜、帰宅後着替えたあと、部屋の中をゆっくり歩く5〜10分

在宅勤務の日に会議の合間に立ち上がって歩くのは、座りっぱなしを減らす意味でも理にかなっています。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023も、成人に座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意を促しています。終わったら手帳に「朝・廊下・5分」と一言だけ記録すると、1週間で自分が続けやすい時間帯と場所が見えてきます。

通勤で使えるのは、注意の対象を絞った簡易版です。

  1. 家を出て最初の数分間など、人通りが少なく信号のない区間を選ぶ
  2. ふだんの速さのまま、足が地面につくたびに心の中で「右」「左」と言う
  3. 考え事が浮かんだら、次の着地で「右」「左」に戻る
  4. 横断歩道、駅の階段、ホーム、混雑した場所に来たら中断する

イヤホンで音楽を聴いていると注意が分散するため、この区間だけは音を止めるとやりやすくなります。人混みの中で急にゆっくり歩くのは、周囲の迷惑になり危険でもあります。出張先では、ホテルの周辺を朝に数分歩くのも環境が変わっても続けられる方法です。

注意 歩きながらスマートフォンを見ない、横断歩道や駅のホームでは行わない、の2点は必ず守ってください。周囲の状況が把握できない状態は、瞑想以前に危険です。

寝ながら瞑想はどうやる?10分のボディスキャン

瞑想は寝ながらでもできます。布団に入ったまま始められるので時間を新たに確保しなくてよく、背すじを保つ必要もありません。

布団に入ると、多くの人は「あの会議の発言はまずかったか」「明日の商談の資料は足りているか」と考え始めます。寝ながらの瞑想では、こうした考えに気づいたら体の感覚に注意を戻します。考えを無理に止めるのではなく、考えの連鎖から少しずつ降りていくイメージです。ただ横になって考えごとを続けるのとは、注意の向け先が違います。

寝る前に向いているのが、体の各部位に順番に注意を向ける「ボディスキャン」です。

  1. 仰向けになり、腕は体から少し離して手のひらを上に向け、足は腰幅に開く
  2. 目を閉じ、お腹のふくらみとへこみに注意を向けて数回呼吸する
  3. 左足のつま先に注意を向け、温かさや布団に触れる感覚を確かめる
  4. 足の裏、ふくらはぎ、ひざ、太ももと、少しずつ注意を上へ移す
  5. 右足も同じように確かめたら、お尻、腰、お腹、胸、背中へ進む
  6. 両手の指先から肩、首、顔、頭まで注意を移す
  7. 最後に体全体が呼吸している感覚を感じ、そのまま眠りに入る

感覚がよくわからない部位があっても、「よくわからない」と確認して次へ進めば問題ありません。考えごとが浮かんだら、今注意を向けていた部位に戻ります。筆者は、歯みがきやトイレなど寝る準備をすべて済ませてから始めると、そのまま眠りに入りやすいと感じています。

疲れている夜の1分版と、朝の3分版

会食や残業で帰りが遅く、10分も続ける気力がない夜は、仰向けでゆっくり3回呼吸し、吐く息に合わせて肩、顎、眉間の力を順に抜くだけで十分です。完璧なボディスキャンより、毎晩少しでも続けるほうが習慣になります。

朝、目覚めてすぐ起き上がれないときは、布団の中で3分だけ呼吸に注意を向けるのもよい方法です。二度寝しやすいので、3分たったら体を起こし、続きは座って行いましょう。

一人だと集中しにくい人は、誘導音声つきの瞑想を使うと続けやすくなります。選ぶときは、声と話す速さが落ち着くか、10〜20分程度の寝る前向けの音声があるか、再生したら画面を消せてタイマーで自動停止できるか、無料の範囲と解約方法はどうか、を確認します。眠ってしまう前提なら、イヤホンよりスマホのスピーカーから小さめの音量で流すと安心です。

寝る前の瞑想で眠れる?研究と、逆効果にしないコツ

米国で、睡眠に悩む高齢者49人を2つのグループに分けた2015年の試験があります。一方は6週間のマインドフルネス講座、もう一方は睡眠衛生(寝室環境や生活習慣)の講習を受けました。睡眠の質の評価(ピッツバーグ睡眠質問票、点数が低いほど良好)は次のように変わりました。

グループ開始時6週間後
マインドフルネス講座10.2点7.4点
睡眠衛生の講習10.2点9.1点

マインドフルネスのグループでは、不眠の症状や日中の疲労感も改善しました。ただし対象は平均66歳で、人数も少ない研究です。この試験では、自宅練習を1日5分から始め、少しずつ20分まで延ばしていました。

18件の臨床試験をまとめた2019年の分析では、マインドフルネス瞑想は「時間をそろえた別の活動」と比べると、睡眠の質を改善する中程度の根拠がありました。一方、認知行動療法など確立された不眠の治療法と比べると、差は見られませんでした。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、瞑想法や腹式呼吸などのリラクゼーション法は入眠を促す可能性があるとしつつ、すべての人に効果が保証された方法はなく、人によってはかえって目がさえる場合もあると注意しています。

寝る前の瞑想は「試す価値のある方法の一つ」で、眠りを保証するものではないと考えてください。逆効果にしないために、次の点を意識します。

  • 寝床に入る1時間前には、メールの確認や資料作りを終える
  • 眠れないときは瞑想を続けようとせず、いったん寝床を離れ、眠気が来てから戻る
  • 照明を落とし、スマホは手の届かない場所に置く
  • 入浴は就寝の1〜2時間前に済ませる(お風呂での瞑想は次の章)

睡眠ガイド2023によると、眠気が来ていないのに無理に眠ろうとすると、脳の興奮がかえって高まり、寝つきが悪くなることがあります。会食でお酒を飲んだ夜は、寝つきは良くても眠りが浅くなりがちで、瞑想で補おうとするより飲酒量を控えるほうが確実です。睡眠時間そのものが足りているかは、40代男性の睡眠時間の記事で確認してみてください。

受診の目安 寝つけない、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続き、日中の仕事に支障が出ている場合は医療機関に相談してください。家族に大きないびきや呼吸の停止を指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。

お風呂で瞑想しても大丈夫?「短く・ぬるめ・眠らない」が条件

お風呂でも瞑想はできます。浴室ならスマホを持ち込まなければ通知に邪魔されず、毎日入る場所なので「湯船につかったら呼吸に注意を向ける」と習慣にしやすいのも利点です。湯船では浮力で体が支えられるため、座る瞑想より肩や腰の力を抜きやすく感じる人もいます。

睡眠ガイド2023は、就寝の約1〜2時間前に入浴し、体を温めてから寝床に入ると寝つきやすくなるとしています。ただし、瞑想を組み合わせることで入浴の効果が上乗せされるかどうかは、研究で確かめられていません。

一方で、浴室はのぼせや転倒、溺れる事故が起こりやすい場所です。消費者庁は、入浴中の事故を防ぐ目安として次の点を挙げています。

  • 入浴前に脱衣所や浴室を暖める
  • 湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
  • 浴槽から急に立ち上がらない
  • 食後すぐ、アルコールが抜けていない状態での入浴は控える
  • 精神安定剤や睡眠薬などを飲んだ後は入浴しない
  • 入浴前に同居者に一声かけ、見回ってもらう

瞑想は深くリラックスするので、湯船では眠り込みやすくなります。**「長湯で深い瞑想」ではなく「短く、ぬるめで、眠らない」**が基本です。

場面気をつけること
入浴前脱衣所と浴室を暖める。同居者に一声かける
湯船の中41℃以下、10分まで。タイマーを使う
眠気があるとき目を開けたまま行うか、湯船での瞑想をやめる
出るとき浴槽の縁につかまり、ゆっくり立ち上がる
入浴後コップ1杯の水を飲む。立ちくらみがあれば座って休む

会食や晩酌でお酒を飲んだ日、食後すぐ、睡眠薬や精神安定剤を飲んだ後、寝不足で強い眠気がある日、発熱など体調が悪い日は、湯船での瞑想はやめておきましょう。のぼせて頭がぼんやりする、動悸がする、気分が悪いと感じたら、すぐにやめてゆっくり湯船から出てください。冬は暖かい居間から冷えた浴室へ移ることで体に負担がかかりやすいため、脱衣所を暖めておきます。出張先のホテルのユニットバスは床が滑りやすいことが多いので、出入りに特に気をつけてください。

注意 高血圧や心臓病、不整脈などの持病がある人は、入浴の仕方を主治医に相談してから行ってください。血圧が気になる人は40代の高血圧対策の記事も参考にしてください。

瞑想浴はどうやる?湯船は10分以内、続きは湯上がりに

  1. 準備:脱衣所と浴室を暖め、湯温を38〜40℃にする。タイマーを10分以内にセットする
  2. かけ湯:足先から順にかけ湯をして、ゆっくり湯船に入る
  3. 姿勢:浴槽の縁にタオルを当てて首の後ろを預け、肩の力を抜く
  4. 呼吸:目は軽く閉じるか半分開け、お腹のふくらみとへこみに注意を向ける。考えがそれたら呼吸に戻る
  5. 終わり方:タイマーが鳴ったら手足を軽く動かし、浴槽の縁につかまってゆっくり立ち上がる

もっと長く瞑想したい日は、湯船の中は短めにして、湯上がり後に続けるほうが安全です。水を1杯飲んで体を拭き、パジャマに着替えたら、寝室で椅子に座るか布団の上で仰向けになり、体が温まっている感覚に注意を向けながら5分呼吸を感じます。そのまま前の章のボディスキャンにつなげれば、寝る前の切り替えになります。

道具はタイマーを最優先に

瞑想浴でいちばん大切な道具はタイマーです。浴室に置くなら防水仕様のもの、脱衣所に置くなら鳴る時間を調整でき自動で止まるもの、濡れた手でも押しやすい大きなボタンのものを選びます。

入浴剤や照明は使って問題ありませんが、瞑想の効果を高めると確かめられたものではありません。入浴剤は強すぎない香りを選び、肌が弱い人は低刺激のものから試します。浴室を暗くするときは足元がはっきり見える明るさを残し、火を使うキャンドルより防水のLEDライトのほうが安全です。

筆者はもともと、デスクワークで夕方に出る足のむくみや冷えの対策として半身浴をしていて、そこに瞑想を加えました。座る瞑想は苦手でしたが、湯船では体を預けられるので力を抜きやすいと感じています。すっきりするのが瞑想のおかげか入浴のおかげかはわかりません。タイマーは、鳴る時間を選べて自動で止まるものを脱衣所に置き、湯船の中で慌てずに済むようにしています。

場面別の瞑想はどこまで効く?運動の代わりになる?

歩行瞑想の研究はまだ数が少なく、効果について強いことは言えません。瞑想的な歩行やマインドフルな歩行を扱った14件の研究をまとめた2022年の系統的レビューでは、13件で不安・抑うつ・ストレスや血圧などの指標の少なくとも一つに改善が見られました。ただし著者らは、多くの研究に方法上の弱点があり、臨床的にどの程度意味があるかは不明だとしています。

寝る前の瞑想は前述のとおり、睡眠の質の改善に中程度の根拠がある一方、確立された不眠の治療法より優れているわけではありません。お風呂での瞑想は、入浴そのものに寝つきを助ける働きがあるものの、瞑想を足すことの上乗せ効果は確かめられていません。

運動としての効果は、歩く速さと時間次第です。厚生労働省のガイドは、成人に歩行またはそれ以上の強度の身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上)行うことを推奨しています。室内でゆっくり5分歩くだけでは運動量はわずかなので、脂肪燃焼や体力づくりを期待するなら、別に有酸素運動の時間を取るほうが確実です。場面別の瞑想は、運動の代わりではなく、心のトレーニングを生活に組み込む方法と考えてください。

気分の落ち込みや不安が2週間以上続く、仕事に支障が出ているといった場合は、瞑想で何とかしようとせず、医療機関や職場の産業医に相談してください。瞑想は治療の代わりにはなりません。

今日からやること

  1. 自宅でつまずく物のない5〜10メートルの直線を決め、5分間、ふだんの半分の速さで足裏の感覚を追って歩く
  2. 今夜、寝る準備をすべて済ませてから、布団の中で10分のボディスキャンをする(眠ってしまってよい)
  3. 入浴するときは湯温を38〜40℃にし、タイマーを10分以内にセットして、湯船で1〜3分お腹の動きに注意を向ける
  4. お酒を飲んだ日や眠気が強い日は、湯船での瞑想をやめ、湯上がり後に5分だけ行う
  5. 1週間続けたら、続けやすかった場面を一つ選んで固定し、通勤路の安全な区間で「右・左」の簡易版も試す

FAQよくある質問

Q歩行瞑想は目を閉じて行うのですか?

いいえ、目は開けたまま行います。視線は2〜3メートル先の床や地面に軽く落とし、周囲の状況が見える状態を保ちます。目を閉じて歩くのは転倒の危険があるため避けてください。

Q通勤中に歩行瞑想をしても大丈夫ですか?

人通りの少ない道や信号のない区間なら、ふだんの速さのまま「右・左」と足の着地を心の中で数える簡易版ができます。駅の階段、横断歩道、混雑した場所では行わず、周囲の安全確認を優先してください。

Q寝ながら瞑想して眠ってしまったら意味がないですか?

寝る前に行う目的が寝つきを良くすることなら、眠ってしまうのはむしろ自然な結果です。注意力を鍛える練習として行いたい場合は、朝や日中に座って行う瞑想を別に設けると、目的に合わせて使い分けられます。

Q瞑想浴は何分くらいが適当ですか?

湯につかる時間は10分までを目安にしてください。消費者庁は入浴中の事故防止として、湯温41℃以下・10分までを目安に挙げています。もっと長く瞑想したい場合は、湯上がり後に脱衣所や寝室で座って続けるほうが安全です。

Q高血圧でも瞑想浴をしていいですか?

高血圧や心臓病、不整脈などの持病がある人は、入浴による血圧の変動が負担になることがあります。熱い湯や長湯を避けるのはもちろん、入浴の仕方について主治医に確認してから行ってください。

参考資料

  1. A Systematic Review of the Effects of Meditative and Mindful Walking on Mental and Cardiovascular Health International Journal of Exercise Science(Davis DW ほか, 2022)
  2. Mindfulness Meditation and Improvement in Sleep Quality and Daytime Impairment Among Older Adults With Sleep Disturbances(JAMA Internal Medicine, 2015) Black DS, et al. / PubMed Central
  3. The effect of mindfulness meditation on sleep quality: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials(Annals of the New York Academy of Sciences, 2019) Rusch HL, et al. / PubMed Central
  4. 健康づくりのための睡眠ガイド2023 厚生労働省
  5. みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故(入浴中の事故) 消費者庁
  6. 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:成人版 厚生労働省 e-ヘルスネット