06 GROOM 身だしなみ

男性のスキンケアは何から?40代の最低限の手順と女性用を使う判断基準

40代男性のスキンケアは身だしなみで、最低限は洗顔・保湿・日焼け止めの3つです。男女の肌の違いは研究で分かれる項目も多く、女性用を使うかは性別より肌の反応で決めます。手順、選び方、続け方をまとめました。

更新
公開
読了
11分
編集
Business Athlete 編集部
洗面台に並ぶ洗顔料、化粧水のボトル、日焼け止めのチューブと、たたんだグレーのフェイスタオル

Key Pointsこの記事の要点

  1. 最低限は洗顔・保湿・日焼け止めの3つ。朝は3分、夜は入浴後すぐに保湿するだけで十分です。
  2. 男性の肌は皮脂が多い傾向ですが、水分量などは研究で結果が分かれます。性別で決めつけないことが大切です。
  3. 女性用を使っても問題ありません。選ぶ基準は、つっぱり、べたつき、刺激、ニキビといった肌の反応です。
目次9
  1. 男性のスキンケアは気持ち悪い?結論:身だしなみの一部と考えればいい
  2. 男女の肌は何が違う?40代男性の肌で起きていること
  3. 最低限のスキンケアは何をどの順番でやる?
  4. ひげ剃りの肌負担はどう減らす?
  5. 日焼け止めはどう選んで、どれくらい塗る?
  6. メンズ用と女性用は何が違う?女性用を使ってもいい?
  7. 肌質別に化粧水・乳液はどう選ぶ?
  8. スキンケアを続けるコツと、受診の目安は?
  9. 今日からやること

40代男性のスキンケアは、美容ではなく身だしなみです。乾燥やひげ剃り負け、テカリを防いで清潔感を保つために、最低限やることは洗顔・保湿・日焼け止めの3つ。朝は3分、夜は入浴後に1分ほどで終わります。男性の肌は皮脂が多い傾向がありますが、個人差が大きいため、女性用を使っても問題ありません。選ぶ基準は性別ではなく、自分の肌の反応です。

男性のスキンケアは気持ち悪い?結論:身だしなみの一部と考えればいい

「男が化粧水なんて」という感覚は、今の40代以上には珍しくありません。若い頃、男性用のケア用品といえば制汗剤とアフターシェーブくらいだった人も多いはずです。家族に見られるのが気恥ずかしい、という声もよく聞きます。

ただ、ここで勧めたいのはメイクや美容ではなく、ひげを剃る、爪を切るのと同じ「手入れ」です。ビジネスの場で相手の目に入るのは、次のような肌の状態です。

  • 頬や口の周りが乾燥して粉をふいている
  • ひげ剃り後に赤いぶつぶつが残っている
  • 午後の会議で額や小鼻がテカっている
  • 日焼けを重ねたシミが目立つ

どれも、毎日数分の手入れで目立ちにくくできるものです。家族に何か言われたら、「ひげ剃り負けがひどいから」「日焼けでシミが増えたから」と具体的な理由を伝えれば十分です。目に見える小さなトラブルへの対処だと分かれば、周りの受け止め方も変わります。

「若く見られたい」ではなく「だらしなく見られない」ためのケアと考えると、始めるハードルは下がります。清潔感全体の整え方は、40代男性の自分磨きにまとめています。

男女の肌は何が違う?40代男性の肌で起きていること

男女の皮膚の違いを調べた研究をまとめたレビュー(2018年)をもとに、主な項目を整理しました。「確かさ」の列は、研究結果がどの程度そろっているかの目安です。

項目研究で示されている傾向確かさ
皮脂の量男性が多い傾向(性ホルモンの影響)。部位により例外あり比較的そろっている
皮膚の厚さ男性が10〜20%厚いという報告比較的そろっている
加齢による皮脂の変化女性は減少。男性は頬で比較的安定、額でやや増加一部の研究
肌の水分量男性が多い、女性が多い、の両方の報告がある結果が分かれる
水分の蒸発量差がないとする研究が多い結果が分かれる

ここから言えるのは、「男性は皮脂が多い傾向」までです。「男性は乾燥しない」「女性は敏感肌」といった決めつけは、研究からは言えません。

テカるのにかさつく理由

同じレビューでは、男性の皮膚の厚さは20歳ごろから少しずつ薄くなる一方、女性は50歳ごろまで比較的保たれるという研究も紹介されています。皮脂は多いままなのに、頬や口の周りは乾燥しやすい。40代の男性によくある「額はテカるのに頬はかさつく」状態は、こうした変化と合わせて考えると理解しやすいでしょう。

シミやシワの多くは紫外線による「光老化」

日本皮膚科学会は、高齢者の顔に見られるシミやシワの多くは、年齢だけでなく長年の紫外線ダメージによる「光老化」だと説明しています。日光が当たりにくい太ももの内側は、高齢になっても白くきめ細かいままだからです。光老化は普通の老化と違って予防でき、紫外線対策である程度元に戻る可能性もあるとされています。40代からでも、日焼け止めを習慣にする意味は十分にあります。

平均と自分の肌は別物

ここまでの傾向は、多くの人を測った平均の話です。皮脂が少なく乾燥しやすい男性もいれば、皮脂が多い女性もいます。同じ人でも、夏と冬、額と頬で状態は違います。毎朝のひげ剃りや、日焼け止めを塗る習慣の有無といった生活の違いも、日々の肌を左右します。顔全体を同じように扱わず、テカる額は軽めに、乾く頬や口元は丁寧に、と部位ごとに保湿の量を変えるのが現実的です。

頼りになるのは平均値より自分の肌の反応です。洗顔後10分の頬のつっぱり、昼過ぎの額のテカり、ひげ剃り後のひりつき。この3つを一度確かめておくと、合う製品の方向性が見えてきます。

最低限のスキンケアは何をどの順番でやる?

40代男性がまず押さえたい手順を、朝と夜に分けて表にしました。

タイミングやること所要時間
朝洗顔 → ひげ剃り → 保湿 → 日焼け止め約3分
夜入浴時に洗顔 → 浴室を出たらすぐ保湿約1分
週1回鏡で乾燥、赤み、ほくろの変化を確認約1分

朝の手順

  1. 洗顔:洗顔料をよく泡立て、こすらずに洗います。皮脂が少なく乾燥しやすい人は、ぬるま湯中心でも構いません。詳しい洗い方は男性の正しい洗顔のやり方で解説しています。
  2. ひげ剃り:シェービング剤を使い、毛の流れに沿って剃ります(次の見出しで詳しく扱います)。
  3. 保湿:化粧水を手のひらに出し、顔全体に押さえるようになじませます。乾燥が強い部分には乳液を重ねます。
  4. 日焼け止め:最後に顔全体に塗ります。耳や首の後ろも塗り忘れやすい場所です。

夜の手順

入浴中に洗顔し、浴室を出たら体を拭く前後のタイミングで化粧水をつけます。入浴後は肌が乾きやすいので、後回しにしないのがコツです。脱衣所に出てからの乾燥が気になる人は、浴室の中で体の水気を拭いてから出て、すぐに化粧水をつける方法もあります。夜は日焼け止めが不要なので、朝より短時間で終わります。

ポイント 「化粧水と乳液とクリームと……」と増やす必要はありません。まずは保湿用の製品を1本だけ決めて、毎日続けることを優先しましょう。物足りなくなったら1つずつ足せば十分です。

ひげ剃りの肌負担はどう減らす?

男女のスキンケアの習慣で大きく違うのは、毎日のひげ剃りの有無です。カミソリや電気シェーバーの刃は、ひげと一緒に肌の表面にも触れます。剃った直後にひりつく、赤いぶつぶつが出る、という人は少なくありません。剃り方と剃った後のケアで、負担は小さくできます。

  1. 剃る前に洗顔する:皮脂や汚れを落としてから剃ると、刃の滑りがよくなります。
  2. シェービング剤を使う:泡やジェルが刃と肌の間のクッションになります。水だけで剃るのは避けましょう。
  3. 毛の流れに沿って剃る:深剃りしたいからと逆剃りを繰り返すと、肌を何度もなぞることになります。
  4. 刃は早めに交換する:切れ味が落ちると、同じ場所を何度も往復しがちです。
  5. 剃った後は保湿する:ひりつく場合は、清涼成分やアルコールの少ない化粧水や乳液を選びます。

電気シェーバーを使う人も、肌が乾燥しているとひりつきやすくなります。剃った後の保湿は、カミソリでも電気シェーバーでも同じように大切です。

日焼け止めはどう選んで、どれくらい塗る?

紫外線による肌のダメージに男女の差はありません。女性に比べて日焼け止めを塗る習慣がない男性は多いので、ここを足すだけでも将来の差は大きくなります。

SPFやPAは、数値が高いほど良いというわけではありません。日本皮膚科学会のQ&Aでは、日常生活で光老化を防ぐ程度なら、それほど強いものは必要ないとされています。目安は次のとおりです。

場面SPFの目安PAの目安
日常生活(通勤など)5程度+
軽い屋外活動、ドライブ10程度++
晴天下のスポーツ、ゴルフ20程度(耐水性)+++

市販品はこれより高い数値のものが多いので、肌に合い、べたつきが気にならないものを選べば十分です。メンズ用か女性用かで選ぶ必要もありません。白く残らない、においが気にならない、といった使用感で選ぶと続けやすくなります。

数値より大事なのは量です。SPFやPAは、1平方センチメートルあたり2mgを塗った状態で測定されています。実際には3分の2程度しか塗られないことが多く、効果は半分ほどに下がるとされています。顔なら真珠大を2個分ほど、全体に伸ばすのが目安です。ゴルフなど屋外で長く過ごす日は、汗で落ちるので約3時間ごとに塗り直しましょう。

メンズ用と女性用は何が違う?女性用を使ってもいい?

メンズ用と女性用の違いは製品によってまちまちですが、売り場でよく見かける傾向は次のとおりです。

比べる点メンズ用に多い傾向女性用に多い傾向
使用感さっぱり、すぐ乾くしっとり、保湿感が強い
清涼感メントールやエタノール配合が多い配合しないものも多い
香り柑橘系などの香り付きが多い無香料から香り付きまで幅広い
工程オールインワンなど1本で済むもの化粧水、乳液、美容液と分かれるもの

「男性の肌にしか効かない成分」が入っているわけではありません。違いの多くは、さっぱり感や香り、手間の少なさといった使い心地の設計です。性別を問わないブランドや製品も増えています。

結論:肌に合えば女性用でも問題ない

家族の化粧水を一緒に使っている男性も多いでしょう。肌に合っていれば、そのまま使って構いません。合っているかどうかは、次の4点で判断します。

  1. 使って10分ほどたっても頬がつっぱらない
  2. 半日たってもTゾーンが極端にべたつかない
  3. つけたときにしみる、かゆいといった刺激がない
  4. 使い始めて2〜4週間で、ニキビや吹き出物が増えていない

1つでも当てはまらなければ、別の製品を試すサインです。しっとりタイプでべたつくならさっぱりタイプに、メンズ用でしみるなら清涼成分の入っていないものに替えます。共有するときは衛生面にも注意しましょう。指を入れてすくうジャー容器のクリームは、ポンプ式やチューブを選ぶほうが安心です。

ポイント 見るべきは「メンズ」の表示より、パッケージ裏の全成分表示です。化粧品の全成分表示は、原則として配合量の多い順に並んでいます。エタノールやメントールが上のほうにあれば、清涼感が強めの製品と考えられます。なお、薬用化粧品などの医薬部外品は表示のルールが異なります。

肌質別に化粧水・乳液はどう選ぶ?

男性に多い肌の状態別に、選び方の目安をまとめました。

肌の状態洗顔の目安保湿の目安
全体的にテカる朝晩とも洗顔料を使うさっぱりタイプの化粧水。乳液は少量か省く
額はテカり、頬は乾く朝はTゾーン中心に洗顔料化粧水を全体に、乳液は頬と口元だけ
全体的に乾く朝はぬるま湯中心しっとりタイプの化粧水と乳液
ひげ剃り後にしみるこすらず短時間で無香料、低刺激をうたうもの
ニキビが出やすい1日2回、よく泡立ててノンコメドジェニック表示のもの

ニキビが出やすい人の保湿剤は、日本皮膚科学会のQ&Aで「ノンコメドジェニック」などの表示があるものが望ましいとされています。手間を最小限にしたいなら、化粧水と乳液の役割を1本にまとめたオールインワンタイプも選択肢です。シートマスクは毎日必要なものではありませんが、出張先のホテルの乾燥が気になる夜などに使う人もいます。

表のどれにも当てはまる部分がある人は、次の順に考えると迷いにくくなります。

  1. まず化粧水を1本決める(テカるならさっぱり、乾くならしっとり)
  2. 頬のつっぱりが残るなら、化粧水の後に乳液を重ねて水分を逃がしにくくする
  3. ひげ剃り後にしみるなら、清涼成分の少ない無香料のものに替える
  4. 毎日使って1〜2か月で使い切れる価格と量かを確かめる

季節で使い分けるのも1つの方法です。筆者自身、夏は無印良品の敏感肌用しっとりタイプ、乾燥しやすい冬は同じシリーズの高保湿タイプと、季節で替えていました。

よくある誤解 「高い化粧水ほど効く」とは限りません。保湿の基本は、肌に合うものを毎日続けることです。価格より、使い心地と続けやすさで選んで問題ありません。使う量も、まずは製品に書かれた目安に従えば十分です。

以下は、ドラッグストアなどで手に入りやすい化粧水の例です。上の表と4つの判断基準で、自分の肌に合うかを確かめながら選んでください。

スキンケアを続けるコツと、受診の目安は?

新しい習慣は、手順そのものより「忘れる」「面倒になる」でやめてしまいがちです。次の3つの工夫で、続けやすくなります。

  • 置き場所を決める:化粧水は洗面台の歯ブラシの隣、日焼け止めはひげ剃りの隣に置く。すでにある習慣の直後に組み込むと忘れにくくなります。
  • 香りのない製品を選ぶ:家族や職場で気になる人は、無香料のものを選べば周りに気づかれにくくなります。
  • 出張用を別に用意する:小さいボトルを出張用ポーチに入れておけば、移動の多い週でも途切れません。

肌の変化は、数日では分かりにくいものです。新しい製品を使い始めたら、同じものを2〜4週間、できれば1〜2か月続けて、乾燥やひげ剃り後のひりつきが減ったかを確かめてください。逆に、使い始めて赤みやかゆみが出た場合は、すぐに使うのをやめます。習慣を定着させる考え方は、習慣化できない人の特徴とコツも参考になります。

受診の目安 次のような場合は、化粧品を替えるより先に皮膚科を受診してください。

  • 化粧水や乳液をつけるたびに赤み、かゆみ、ひりつきが出る
  • 顔の一部に、かさかさした赤い湿疹が続いている
  • ひげ剃り後のぶつぶつや炎症がなかなか治らない
  • ほくろやシミの形、色、大きさが短期間で変わった
  • 赤く腫れたニキビや吹き出物が繰り返しできる

今日からやること

  1. 洗面台に、保湿用の化粧水か乳液を1本だけ置き、夜は浴室を出たらすぐ顔全体に塗る。
  2. 朝はひげ剃りの後、真珠大2個分を目安に日焼け止めを塗る。
  3. 今使っている化粧水の全成分表示を見て、エタノールやメントールの有無を確かめる。
  4. 洗顔後10分の頬のつっぱりと昼過ぎの額のテカりを確かめ、合わなければ肌質別の表で1つだけ替える。
  5. 週に1回、鏡で乾燥や赤み、ほくろの変化を確認する。

FAQよくある質問

Q40代からスキンケアを始めても意味はありますか?

あります。日本皮膚科学会は、顔のシミやシワの多くは年齢だけでなく長年の紫外線による光老化で起こり、光老化は予防できると説明しています。今から日焼け止めと保湿を習慣にすれば、これから先の変化を抑えることにつながります。

Q化粧水と乳液は両方必要ですか?

必須ではありません。洗顔後につっぱるなら、まず化粧水か乳液のどちらか1つ、またはオールインワンタイプから始めて構いません。乾燥が続く場合は、化粧水の後に乳液を重ねると水分が逃げにくくなります。続けられる手間に収めることを優先してください。

Q妻や家族の化粧水を一緒に使っても大丈夫ですか?

肌に合っていれば問題ありません。使った後につっぱる、べたつく、しみる、ニキビが増えるといった変化がなければ、そのまま使って構いません。ただし、ジャー容器に指を入れて使う製品は衛生面から共有を避け、ポンプ式などを選ぶと安心です。

Qメンズ用の化粧水がしみるのはなぜですか?

メンズ用には清涼感を出すためにメントールやエタノールを配合した製品があり、ひげ剃り直後の肌や乾燥した肌ではしみることがあります。しみる場合は使うのをやめ、低刺激をうたう無香料の製品に替えてください。赤みやかゆみが続くなら皮膚科に相談しましょう。

Q日焼け止めは毎日塗る必要がありますか?

通勤や外回りで屋外にいる時間がある日は、塗っておくのがおすすめです。日本皮膚科学会のQ&Aでは、日常生活の光老化予防なら強いものは不要とされています。数値の高さより、顔全体に十分な量を塗ることのほうが大切です。

参考資料

  1. 皮膚科Q&A 日焼け Q5 光老化は普通の老化とどう違うのですか? 公益社団法人日本皮膚科学会
  2. 皮膚科Q&A 日焼け Q13 サンスクリーン剤の使い方 公益社団法人日本皮膚科学会
  3. 皮膚科Q&A にきび Q25 スキンケアはどうしたらいいですか? 公益社団法人日本皮膚科学会
  4. Male versus female skin: What dermatologists and cosmeticians should know(Int J Womens Dermatol. 2018) International Journal of Women's Dermatology(PubMed Central)